ご家族・ご友人が逮捕された方へ
「○○さんが今日、逮捕されました。」
突然、警察署から、このような連絡があった場合、誰もが「え、なんで?!」「いったい何があったの?!」ととても心配になられるかと思います。
今後、逮捕された人がどのようになってしまうのか、自分にできることはないのか、不安なことは尽きないと思います。
しかし、逮捕されたから犯罪者となるわけではありません。
まずは、動揺されていることとは思いますが、一度深呼吸をして、冷静に行動するよう心掛けてください。
逮捕されてしまった人のためにもあなたが冷静に行動していくことが重要です。
逮捕されてしまったご家族・ご友人のためにあなたができることは、4つです。
①逮捕について理解すること
②面会可能かどうか、面会の時間、差し入れ(着替え、金銭)の可否
③被疑事実、罪名を確認する
④弁護士に相談する
①逮捕について理解する
まず、逮捕された場合、警察に48時間、検察に24時間の最大72時間、留置所で身柄を拘束されることになります。
その後、検察官がさらに取り調べが必要だと判断し、裁判所に請求した場合、逮捕に引き続き、10日間拘束されることになります。これを勾留といいます。
勾留はさらに10日間延長されることもあります。ですので、通常、逮捕されて引き続き勾留されることになれば、最大で23日間留置所で身柄を拘束されることになります。
勾留期間が満了する前に、検察官は不起訴、略式起訴、起訴のいずれかの処分を下します。
簡単に言えば、裁判するかどうか、裁判をする場合にどのような裁判ですすめるかを決めるということです。
不起訴になった場合は、釈放され、逮捕される前と同じように生活できます。裁判をしないということですので、前科はつきません。
略式起訴となった場合は、釈放されますが、前科がつくことになります。略式起訴といっても裁判であり、犯罪に対し、刑が科されることになるからです。
通常の起訴をされた場合は、留置施設、または拘置所にて引き続き身柄が拘束されます。
起訴された後は、保釈の請求をすることができるようになります。
裁判所に保釈請求をし、許可をもらい、保釈金を納付すれば、家に帰ることができます。
その後、裁判所において、犯罪を行ったか否か、有罪か無罪かの判断がなされます。無罪であれば、当然釈放されます。有罪となり、執行猶予がつかない懲役、禁固刑の場合は刑務所に入ることになります。
②面会可能かどうか、面会の時間、差し入れ(着替え、本、金銭など)の可否
面会できる場合は面会し、許可があれば着るものや本、お金を差し入れることができます。面会が禁止されていない限り、面会できます。
面会時間は、場所によって異なっていますが、佐賀少年刑務所では平日の8時30分~11時30分までと、12時30分から16時までとなっています。実際に面会に行く前に連絡して確認しておくとよいでしょう。
面会は1回15分~20分程度で、1日1組、3人までしか面会できません。
面会している間は、警察官の立会いがあり、会話の内容はメモが取られることもあります。
また、取調べ中であると面会を断られたり、重大な事件の場合や共犯者が多い事件の場合、または証拠を隠滅する恐れのある場合などは、面会自体が禁止されていたりする場合もあります。
前もって面会に行かれる前に確認するようにしてください。
③被疑事実、罪名を確認する
どのような罪を犯したと嫌疑をかけられて、逮捕されたのかを確認しなければ、次にどのような行動をとるべきかがわかりません。
被疑事実や罪名を確認することで、今後、早期に釈放されるためには何をすればよいのか、刑を受けずに済むのか、刑を軽くすることができるのかを検討することができます。
④弁護士に相談する
ご家族や、ご友人が逮捕されてしまった場合、冷静ではいられないと思います。どうすればいいか分からず、途方にくれてしまっているかもしれません。ですが、ご家族、ご友人を救うためにも、弁護士に1度相談に行ってください。
弁護士と話をして今後のどうすべきかを聞くだけでも安心できると思います。刑事事件は一つ一つ事案が異なりますし、自分で調べたことが実際やるべきことと違っている場合もありうると思います。
弁護士に相談した上で、ご家族、ご友人のために弁護士を付けた場合、弁護士はまず、本人と面会します。弁護士は家族や友人が面会できない場合でも、本人と面会することができます。
このとき、警察官は同席しませんし、時間制限もありません。弁護士と本人でじっくりと話しができます。
そのため、ご家族の様子を伝えたり、ご家族、ご友人からの手紙を差し入れたりすることもできます。また、本人から直接事実の確認をして、今後どのように進めていくかの話もできます。
その後、勾留されないように働きかけることになります。勾留が認められてしまうと、10日間は警察の留置所から出られない状態になってしまいますので、この間、会社を無断欠勤することになり、解雇されてしまう可能性もでてきます。そうならないように、勾留を阻止し、自宅に帰宅できるように行動します。
自宅に帰宅できた場合でも、勾留された場合でも、その後、検察庁で処分が決まります。不起訴処分を獲得するためには、なるべく早い段階から行動するため早期に弁護士をつけて、適切な弁護活動を行うことが肝心です。罪名によって、弁護活動は異なってきます。各ページにてご確認ください。
不起訴処分となり、早期に釈放されれば、勤務先などに逮捕されたことがばれずに、職場に復帰できます。もちろん前科もつきません。
不起訴処分ではなく、起訴されてしまった場合は、まず保釈請求をし、自宅に帰れるように働きかけます。その後、執行猶予の獲得や減刑してもらえるよう、弁護活動をしていくこととなります。